-宗教なのかヒーリングなのか-

ヒーリング(癒し治療)や催眠療法などは、宗教なのか代替療法なのか悩む方が多く
○○の水・○○の石とかを勧められて、ご家族が心配される相談を時折受ける時があります。
また、知人に相談したらそれなら、これが良いと強く勧められた健康食品はどうなのでしょう?
などのご相談もございます。

-先入観だけで判断しない-

いかなる特定の販売方法や団体に批判も賛成も致しませんが
ご当人とご家族の間でトラブルとなったときは、先ず先入観を先ず取り払ってみてください。
英国ブリストル・キャンサー・ヘルプセンターの研修で次のようなエピソードを聞かせて頂きました。


ブリストル・キャンサーヘルプセンターにて

チャリティで運営されているがん患者の支援施設です。
患者・家族はセルフヘルプ(自助療法)を自由に選択します。

-新聞やテレビ報道にも誤報がある-
この施設が発足した当初は、英国の各メディア(新聞や国営放送)から激しいバッシング(批難報道)を受けました。・・・ 「科学的根拠のない療法や、効果のない食事等でがん患者救済を隠れみのに多額の寄付金を集める怪しい施設(グループ)である」・・・というような内容です。
しかし、チャールズ皇太子の支援や地道な活動を続けた結果、現在では世界中のポスピスや補充医療関連機関から注目され、その実践活動を参考にしたいと世界各国から研修に来るまでになりました。
勿論、今でもこのような活動(補充医療や食事療法)を思わしくないと考えている反対派もいるようですが、各メディアは過去の報道は誤解であり、注目すべき施設であるとの見解に変わっています。

イギリス王室は代替医療(補完医療)に理解のある王室で、2013年7月中旬にイギリス王室のキャサリン妃も「催眠出産」でご出産なさる予定との事です。しかし、BBC(英国放送協会)は、科学的根拠のない補完医療には批判報道をします。
自由に批判できるという体制はとても大切です。但し、報道がすべて正義であるとは限りませんので、マスコミの報道だけを尺度にされるのも如何なものかと思います。

このブリストル・キャンサー・ヘルプセンターで私自身が大変驚いたことがありました。この施設は古い教会の建物を借り受けて活動しているのですが、「瞑想室」という部屋に入った時に、入所者が崇拝している「サイババの写真」「仏像」「マリア像」「不明な偶像」など実に様々な、崇拝対象物が1つの部屋の中に置かれていました。

ここでは入所者が何を信仰(精神安定)のよりどころにするのかは、全くの自由であるとの事でした。この時以来、私は自分の物差しで信仰対象を批評すべきではなく、すべて当人の気持ちを最優先との考えを一層深めました。

その団体が、医師の治療を中断するように強要したり、多額の寄付金を強要したり、一切家族との接触も許さないような体制であれば問題ですが。そうでないないらばとりあえずはご本人の意向を尊重して差し上げ、心の安らぎを優先されても良いのではないでしょうか。

-マルチ商法とは-

いわゆるマルチ商法とは、連鎖販売取引の商法で、アメリカを中心に発達したマルチレベルマーケティングが語源で、最近では「ネットワークビジネス」・「コミュニケーションビジネス」・「無店舗フランチャイズ」・「MLM」等の様々な名称が使われています。
確かに強引な勧誘等が行われ易く、消費者被害を引き起こすことが多い商法です。

マルチ商法で取り扱いされている健康商品について、次のような分類をします。

 A.マルチ商法の会社が自ら製造メーカーとして製造販売している
 B.マルチ商法の会社が他の製造メーカーに委託して製造している
-販売方法と商品の質は別-
A.の場合は、部外者にはなかなか商品の本質のデータを入手することが困難です。
B.の場合は、OEM生産といってパッケージ違いだけの別製品があったり、製造メーカーに本製品のデータがあれば判断は可能です。

要は公にしている資料やデータの真贋を計ればいいのですが、製造工程は部外秘、世界で唯一の特殊製法、特許出願中、の謳い文句ではほとんど信頼できません。

-商品をすすめる人物のキャラクター-

マルチ商法の販売員は話しが大変上手です。
講習宣伝販売(店舗を移動しながら、 日用品を激安で配布し、最終的に高額な商品の契約を取り付ける)はさらに上手です。

○○道場とか□□研究会という団体名での販売商品も上記A.&B.で分類します。
良心的(常識的)な団体であれば「医者に行かなくても絶対に治る」等とは言いません。
勧誘の言葉に、独善的、恐怖感を煽る言葉があったら要注意だと思います。

商品の質と販売方法は別な話ですが、商品の質はどうあれ、そういう形態の商品が嫌ならば「近寄らない」「関わらない」が一番だと思います。


末筆ながら・・・憂うお気持ちはよくわかりますが、本当に苦しいのはご本人様自身だと思います。
ただでさえ、お薬の多いところに、もし鬱(うつ)病の薬も加わるとかなりの負担になると思います。ここはどうぞご本人様のお気持ちを優先させてあげたらいかがでしょうか?
但し、ご家族様がいつでも自由に出入りできるという環境であるかは、必ず確認されてください。


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